第二回ファック文芸部杯感想
http://neo.g.hatena.ne.jp/xx-internet/20071103/p1
http://neo.g.hatena.ne.jp/xx-internet/20071205/p1
大変楽しみました。うまく書けるか自信がありませんが、感想を書いてみることにします。
- 自分の話
id:setofuumiとしてどう臨んだか。
基本的に、参加者として以外でのコミットはしないつもりで臨みました。筆者や、参加するかどうかの予想、(ファック文芸部杯への)評価としてのブックマークはしていません。anondを見る回数は流石にちょっと多かった気がします。
- ファック文芸部杯未参加作
大変恥ずかしいのですが、「アイデアはあったが書けなかった」というのが正直なところでした。せっかくなのでアイデアだけ書いておくと、「anondの検索結果から一文ずつコラージュして作品化する」というものでした。○○は、anondにおいて最も注目を集めやすく、ブックマークのされやすいもの。候補としては恋愛結婚あたりでしょうか。
書けなかった理由は怠惰を含めて多数あるのですが、その「書けない」という感覚を味わうこともなかなか良い経験でした。
ちなみにアイデアのネタ元はここから。
- 作者: 井上ひさし
- 出版社/メーカー: 新潮社
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- 期待
事前の期待としていわゆる「エモい」文章が優勝するといいな、というのがありました。というのも、過去に「『書かれたもの』と*1書き手自身」との関係を色々と考えていたことがあり、というのも、id:nitinoさんのダイアリーのスタイルについてなのですが、そこで生まれる齟齬や、「読まれ方」を気にかけていた、というのがありました。
そしてその本人が300userを越える結果を残しての優勝ということになり、驚きと同時に「なるべくしてなった」という感覚もあります。
- 文章におけるネタマジについて
かつて考えていたこと、というのは、「フィクション」「読み物」というものの扱い方について、です。自分が代弁するのもはばかられるのですが、id.nitinoさんの書く文章というのは、もっと言えば、全ての文章の書き手が書く文章は、「文章」であり、そこには「フィクション/ノンフィクション」あるいは「現実/虚構」という区分けはない、と考えています。「書き手としてのスタンス」という「ブログ人格」「作家人格」ならあると思いますが。
その、「本当ではないし嘘でもない」という感覚を、できるだけ多くの人に知ってもらいたいと常々思っていました。自分はそれこそが「文章を読むこと」を豊かにするものだと信じているので*2。
その意味で、今回ファック文芸部杯という形で*3、文章は文章である、ということをブロードキャストしてもらったということは、期待以上の結果と言わざるを得ません。自分の理解でいうと、今回の結果はまさに「読者をファックした」と感じています。
- エモい、について
開催当初から言われていたことですが、「エモい」が他の何よりも注目を集める、という懸念はありました。現在の風潮ではどうやら、「身の回りにない情報」はエモくはない、とされているようなので、それは「SFだからろくでもない」とどれだけの違いがあろうか、という思いはあります。自分としてはやはり、超能力者も宇宙人も地球の滅亡も狂人も平等に評価されて欲しい。その意味では、今回の結果は「エモいに対して(それ以外にとって)の敗北」と言えるのではないかと思います。
ですが、優勝したエントリ以外の、決してエモくはない文章も、100userを越えるブックマークを受けという結果は、同時に希望でもあると自分は感じています。「闘いははじまったばかりだ」というフレーズをもって、この結果を受け止めたい。
- 感想
やっと感想ですが、個人的に、「匿名オセロ」は大変素晴らしかった。その発端の発想*4。そしてそれを文章として仕上げてしまったid:objectOさんの文章。発端の発想も、文章も、どちらも大いに嫉妬しました。俺もかくありたい。
- 最後に
発想、「書くこと」、「読むこと」、様々な要素で大変刺激のあった企画でした。主催したxx-internetさん、ありがとうございました。そして、ファック文芸部杯参加者、anond中でまとめをしてくれていた方、精力的にブックマークをしてくれた方にも、ありがとう。
そして、今回の第二回ファック文芸部杯@anondに関する"文章"を読んだ方々が、「読むこと」について少しの間でも考えたなら素敵だなあ、と思います。もしそうではない方がこの文章を読んでいたら、少しリンク先をたどって、少しだけ何かを考えていただたら幸いです。