例え話のこと

時折例え話がどうこうについて考えているのだが、最近のそれは、この前までいた場所において「例え話を連発する人物にそれを聞かされる側がイラつく」という状況ありきだったので、サンプルが偏っているといえなくもない。
ともあれ、そこでイラついていたのは「ダメだしor自慢に例え話がくっついてくる」構図だったからではなかろうか、と思っている。極端な例だが、人が真面目にやっていることを「それはスクランブル交差点で裸踊りをするようなものだ。恥ずかしい。」とか言われたら、例え話の精度以前にやる気失くす、という。あれ、それじゃ例え話の話にならないな。いかんいかん。
閑話休題、「ダメなので恥ずかしい」と思ったのなら例え話を考える前に何かやることがあるよな、ということにしておく。

あと例え話の失敗例をサンプリングしてて思いついたのが、「異国の人にそれを犯罪であると伝える」場合を考えればだいたい区分けできるかもしれない、ということで、まあとりあえず「立小便」にでもしてみよう*1

  • 「それは(私の住む場所における)立小便のようなもので、犯罪です」
  • 「それは(日本の法律でいうところの)立小便のようなもので、犯罪です」
  • 「それは(あなたの国の法律でいうところの)立小便のようなもので、犯罪です」

みたいな場合分けをしてみると、伝わらなさ度合いを含めてだいたいすっきりする。あとこれに「私とあなたが今どこにいるのか(どんな法律のもとで生きているのか)」を入れて考えればなおよい。
わかりやすく書けば、ローカルな事柄を別な地域で主張しても理解されないことが多いし、もしそれを伝えるのならば、「あなたの知っていることの中で例えるなら…」という風にいかないと難しいよね、ということか。
逆に、例え話は「わかるひとにしかわからない」という狙いならば、その能力を遺憾なく発揮できる、と言えるかもしれない。そういう用法は嫌いじゃないな。

あと例えとして極端にするために「犯罪」にしたんだけど、これがもし「恥ずかしい」とか「私がイラつく」とかだったらまた複雑になるんだろう。「そんなことをしていたら私に気に入られないよ?」というツッコミに対して「いやあなたに気に入られなくとも大丈夫です」という返しがあることも含めて。

最近みかけた例え話の話
http://d.hatena.ne.jp/kotorikotoriko/20090728/1248752680
http://d.hatena.ne.jp/tvhumazu/20090804/p1
ここで伊集院光は例え話をしていて、伊集院は結構な頻度でこういう突飛な例え話をするんだけれども、それは多分「前提」の食い違いが起きないようなところで例えよう、という意識が多少なりともあるのだろう、とか思っている。もちろんここでいう「突飛な例え」が突飛ではない層の人たちも当然いて、そこから先になるとかなりややこしい問題になってくるのだが…。でもそれは(伊集院自身が時折言うところの)「怒られたら謝る」というスタイルで相殺可能ではあるのかなあ。


以前書いていたのだとここらへんか。反応してもらったのも含めてリンク。
http://d.hatena.ne.jp/setofuumi/20080105#p4
http://d.hatena.ne.jp/hrkt0115311/20080105/1199513734
http://fragments.g.hatena.ne.jp/setofuumi/20070512/p5
http://fragments.g.hatena.ne.jp/Tez/20070513/p1
あとこれとか
http://twitter.com/setofuumi/status/1800319675

*1:歩き煙草とか肉を食うとか適宜入れ替えること