速水健郎さんの講義を聴いてきた。

http://d.hatena.ne.jp/gotanda6/20091022/sendai
に行ってきた。少しばかりtwitterにメモっといたのでそれを元にいくらか書く。

何度か通ったことのある道だったので大丈夫だろうと思ってたら見事に迷って結局Googlemap使って10分前に到着。入ってみると、東北大学建築学科の講義ということでたくさんの学生が。思わず学生と一切会話しない大学生活を思い出してキョドる瀬戸風味さん。

19時ちょっと過ぎたあたりで開始。
前半はケータイ小説→ハーレクイン→chick-lit*1→トレンディ、純愛ドラマ(月9など)といった感じで「物語は下部構造(時代とか消費、文化とか諸々)によって変わる」みたいな話。
建築学科ということで「ハーレクインの作中では建造物が…」とか「ドラマの場面では街や建物が文化の象徴として…」っていう感じで触れていたんだけど、テレビドラマの話の時とか話したいところ話してるなーって感じたりした。俺は消費とか広告の文脈である程度把握はできたけど、俺よりもうちょっと若い学生さんたちはどう受け取ったのだろうか…。
と、余計な心配はともかく、直前にtwitterハーレクインの台詞すげえ、とか見かけてたので愉快だった。あとハーレクインが「ジャンル内ジャンルが多様」「アラブの王様レベルの男性が異国(旅人)のヒロインを奪い合う」とかライトノベルみたいだと思ったりした。

後半はそこからケータイ小説+郊外という本筋っぽい話に。大筋は「大型店などの郊外文化」というのが成立したので、そこから発信される文化や流行が出てきた→それがケータイ小説や(エビちゃん等に対する)小悪魔ageha文化、とかそういう話だった。興味深かったのは、「いわゆるベストセラー(村上春樹とか)は東京でだけ売れてて、ケータイ小説は平均的に売れてる」というデータと、「ケータイ小説小悪魔agehaでは消費、ブランド、地名といったものは嫌悪*2される」ということ。でもって、ここ最近はもう一度都市部(東京)への揺り戻しがきていて、それが物語に反映されるとどうなるのか*3、という話もあった。

後半終わって質疑応答。
最初は、いわゆる「業界」は生き残っていけるの?みたいな話から「本屋やレンタルショップは棚の並べ方がまだ変わる余地がある」という話。ブックオフ(の棚)は可能性のひとつではあるよね、とか、膨大なレンタルビデオを下手にジャンルで分けられても困る!とか。
次。「ケータイ小説は女性向けだけど男性向けはあるか?」という話。確かに気になる。郊外、地方の男性となるとやっぱりそこは「ヤンキー文化」になるので、ヤンキー漫画とかになるのかな…と思いつつ、「クローズ(ヤンキー漫画)よりは闇金ウシジマくんのほうが」「ラーメン屋の成り上がりストーリーみたいなのに可能性が」といったことが語られた。

他雑多。
ラーメン話あたりで俺が質問用紙に書いた「特殊なラーメン店とか行列店文化とかはどうなん」というのが拾われてうけた。地方のコンテンツとしてラーメンはアリらしい(喜多方、札幌など)。確かに発祥とか起源とか歴史とかがものすごい曖昧で捏造とかされながらいっぱい生まれている印象があるな。地方グルメ。あと「地方のコンテンツがゆるキャラB級グルメばっかりになっちゃってるのは由々しき事態」とかいう話も出た。ラーメン文化で何か書きたい、と速水先生。
講義の最後らへんで「バイオレンス作家深町秋生の描くネオ郊外」というすげーアオリでid:FUKAMACHI先生が紹介。作品は未読だけどブログは楽しく読んでるので挨拶したかったがちょっと急いでた*4のでできなかった。残念。
あと「サブカルとしてのパチンコ文化」ということで2009-05-31のようなことを振ってみた。でもまあ消費のほうの話なので物語にはならないかなあ。それからサンプルとして、「ライジングってパチンコ店のキャラクターのオッサン(むさい漁師風。マサミっていういらしい)がパチスロキャラと共演する」みたいなのがあったはずなんだけど、検索してもうまく出てこなかった。一応近いのがここらへんRISING Friends - ライジンググループ。なんかインターネット文化も散見される。

そんなところ。

*1:米国産の「若い女性が仕事と恋愛で自己実現」みたいなテンプレらしい。ブリジットジョーンズの日記とか。

*2:嫌悪という表現を使っていたけど、忌避といったほうが近い気がする

*3:予想は守備範囲外ということで何が来るとかいう話はなかった

*4:のとなんか怖かった