「老ヴォールの惑星」 小川一水

読んだ。結構前に借りたのだが積んでいる内に星雲賞を取ったという話になってもったいないことをしたなあとか思った。何がもったいないのか。

人と場を書くのがうまいなあと思っていたら、巻末解説に"最近それっぽいノリの話をを書き始めた"というような記述があってなるほどと思った。こういうノリは好きかもしれん。
かなりブラックな部分もしっかりと書いていて大変よろしいと思ったのだが、筒井康隆に犯された部分の脳が「もっと!もっと!」とか邪魔をしてきて困った。本気で困った。それも含めて、収録短編4つのうちでは表題作の老ヴォールが一番良かった。全体としては4つすべてSF教養のない俺でも「素敵だ!」と思えるいい読書であった。
このノリで長編が書かれるなら是非読みたい。