「関係の空気」「場の空気」

「関係の空気」 「場の空気」 (講談社現代新書)

「関係の空気」 「場の空気」 (講談社現代新書)

読んだ。適当に感想。

  • 1対1関係の場合は「関係の空気」。望ましい。前提や文脈が容易に共有できて、日本語の能力を発揮できる。また、わからないなら聞けばいいし、聞きやすい。
  • 集団の場合は「場の空気」。弊害が大きい。大勢になると前提や文脈を共有するのが困難。著者いわく「空気が欠乏し日本語が窒息する」。わからなくても沈黙せざるを得ない。聞くことは「抗空気罪」に。

1,2章はここからスタートして、若者言葉、上司部下、学校のクラス、右翼左翼、2ch、男女…とあらゆるものを解説していく感じ。小気味良い。3章は山本七平の「空気の研究」を引きつつ政治教育日米比較まで語る。4章では「空気=権力」という視点。数ヶ月前のはてなで語られた「コミュ力=政治力」を見ているかのようだった。5章はまとめっぽく具体的な提言を挙げて終わり。

見所を挙げるなら、「2chのおやくそく」を「なかなかどうして21世紀の名文だと思ったからだ」と評価して引用していたりするところと、上にも書いた「空気=権力」論の部分だろうか。いい読書だった。あと「空気の研究」を手に入れていないので買って読もうと思った。